山本左近NEWS No51

2025.5.26

5月7日からフランスへ。

今回の渡仏の理由は、仏日財団が主催し、初めての試みとなるヤングリーダープログラム(以下、YLP)に招待され、渡仏しました。

仏日財団は、仏・アジア財団の後援のもと、フランスと日本の関係を強化するため、支部として今年新たに設立されました

フランスは12年前からアジアとの関係強化のため中国とYLPを開催してきましたが、世界情勢の変化を受けて改めて日本との架け橋を作ることを目的に今回のプログラムを開催しました。経済、外交、イノベーション、文化などの主要分野で新しい形態の協力を促進するため、さまざまな分野で活躍する仏日の若いリーダー27名が参加しました

両国のヤングリーダー間の相乗効果を生み出し、相互理解を深めることが期待されています。フランス滞在中には、大使館や美術館、欧州議会等の視察、また政治家、官僚、アートや食文化関係者など幅広い皆さんとのパネルディスカッションなど多くの議論に参加しました。またパリだけでなく、ドイツとの歴史的関係の深いストラスブールにも訪れました。

幅広い分野の方達と「政治、経済、外交、安全保障、文化、音楽、スポーツ、食・農業、医療、AI・量子、歴史など」について議論し、話題にならなかったテーマを見つけることが難しいほど充実した5日間でした。参加者の様々な専門性が交錯することにより、議論が深まりました。

まず初日は、グループディスカッションを行い、リーダーとは何かについて深掘りを行いました。その後、外務省アジア・オセアニア局長のベノワ・ギデから仏日を含むフランスとアジアの関係性について講演。フランスにおけるウクライナ戦争の位置付けと影響、明確に中国を脅威と捉えた対中戦略の方向性の変更、経済安保、サイバーセキュリティ、核共有、台湾有事についてなど日本の議論と非常に重なる部分もありました。激変する世界情勢の中で、17世紀から続く日仏関係の価値を改めて認識・共有し、国同士の連携をさらに強化する必要性について議論しました。

この日は奇しくも5月8日。第二次世界大戦の欧州戦における終戦日で、彼らはそれを戦勝記念日と呼びます。凱旋門広場において80周年の戦勝記念式典が行われ、我々も出席。仏マクロン大統領は演説において、「ロシアによるウクライナ侵略が4年目に突入する中、第二次世界大戦後の欧州における恒久的平和という考えは幻想に過ぎなかった。欧州では戦争の亡霊が戻ってきて、帝国主義と全体主義的な振る舞いが復活し、国家の権利が再び踏みにじられており、常に平和を守る必要性がある。」と語りました。

日本としても悲惨な戦争を二度と繰り返さない決意と、平和を守るための努力をしなくてはなりません。一カ国だけでなく、連携していくことによって抑止力を高めていくことが重要です。自身の国際経験や政治の場における経験、また今回のYLPの出会いを活かし、日仏の架け橋となり、日本の国力の強化に努めていきたいと思います。

 

 

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