山本左近NEWS No75
2025.11.12
現在、開会されている第219回臨時国会。高市早苗総理の所信表明演説を終え、補正予算を審議する予算委員会が行われています。テレビ中継やニュースでご覧いただいている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、所信表明演説と補正予算について、私たちの暮らしにどう関わるのかという視点から解説します。
《日本再起への第一歩》
高市総理は、所信表明演説の冒頭、「日本の未来を切り拓く責任を担う」「“日本再起”を目指す」と宣言しました。
また、政治の安定を土台に、経済再生と安全保障を両立させる姿勢を明確に表明しています。
連立与党や政策合意の維持を重視し、実行力ある政権運営を目指しています。
《経済財政政策の基本方針》
高市政権の経済財政政策の基本は、「経済あっての財政」。
「責任ある積極財政」の考え方の下、戦略的に財政出動を行います。
日本成長戦略会議を立ち上げ、課題解決に資する先端技術に投資し強い経済を実現し所得を増やすことを目指します。
物価高への対応を最優先とし、国民の安心な暮らしを確実かつ迅速に対応していきます。
主な政策は以下の通りです。
・ガソリン税・軽油引取税の旧暫定税率廃止
・電気・ガス料金の冬季支援策
・診療報酬・介護報酬の引き上げ
・中小・小規模事業者、農林水産業への重点支援
豊橋・田原地域では、通勤・物流・農業の多くが車や軽トラック等を使用しており、ガソリン税等の引き下げは、生活や事業コストに影響する重要な政策です。
また、トマト・大葉・花きなど施設園芸や畜産、漁業など多い地域なので、電気・燃料費の支援が生産コストの安定に寄与します。
《単年度決算から成長戦略へ》
高市総理は、これまで政府が掲げてきた「プライマリーバランス(PB)単年度黒字化」方針を見直し、複数年度でのバランス運用を考える責任ある財政の新モデルを表明しました。これにより、景気変動に柔軟に対応しつつ、中長期的な成長投資を計画的に実施できるようになります。
これは“緊縮”から“成長重視”へと舵を切る重要な政策転換です。同時に、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます。
地方にとっても、公共インフラや防災投資、医療・介護・教育への中期的支援を確保しやすくなる可能性があります。豊橋の道路や公園、防災拠点の整備等や、田原市の防災・インフラの強化など、地域の将来を支える事業にも追い風となるでしょう。
《補正予算について》
今回の補正予算では、
・物価高対策
・エネルギー・食料安全保障
・中小企業支援
・地方創生・防災インフラ
といった分野に重点が置かれています。
特に農業・水産業の基盤強化や地域雇用対策は、東三河の一次産業や製造業を支える柱です。
地元の中小企業や農家の皆様が、エネルギーコスト高に耐え、次の成長投資に踏み出せるような政策運用が期待されます。
《おわりに》
「責任ある積極財政」への転換は、地域の未来づくりにとって大きなチャンスです。
国の財政運営と地域の現場をつなぐ視点から、豊橋・田原の発展にどう生かせるかを今後も発信してまいります。





