山本左近NEWS No92
2026.4.3
4月となり、令和8年度がスタートしました。新たな門出を迎えられた皆さんをはじめ、新年度を新たな気持ちで迎えられているすべての皆さんを応援しています。
今、世界の出来事が地域の暮らしや産業に大きく影響する時代になっています。その中で、国として機能を止めずに対応し続けられるかが問われています。今回は、その前提となる暫定予算の意義と、国際情勢が地域に与える影響について解説します。
《暫定予算と暮らしを守る役割》
3月30日、国会において11年ぶりとなる暫定予算が成立しました。これは、予算が最終的に成立するまでの間、国や自治体の機能を止めないための措置です。
一見すると国会の話に見えますが、その影響は地域の現場に直結しています。ごみ処理や水道といった自治体運営、学校・保育・福祉、医療・介護など、私たちの暮らしはすべて予算によって支えられています。
今回の暫定予算は、こうした暮らしを止めないための最低限の“つなぎ”であり、本来は速やかな本予算の成立が不可欠です。
《国際情勢が地域に直結する時代》
同時に、国際情勢も地域経済に直接影響を及ぼしています。現在のイラン情勢の緊張は、決して遠い国の問題ではありません。エネルギーは国家や地域を支える基盤です。その供給が不安定になると、さまざまな産業に影響が広がります。
《産業別の具体的影響(構造的リスク)》
東三河の主要産業は、いずれもエネルギー依存度が高い構造にあります。
◎農業
ハウス栽培、農機、肥料・資材などは石油依存であり、燃料高騰は、コスト増→価格転嫁困難→経営圧迫に直結。
◎漁業
漁船燃料、冷蔵設備、輸送すべて石油依存。供給が滞ると→出漁に影響が出て→収入に直結。
◎工業・物流(三河港・製造業)
東三河は、自動車関連産業、化学・素材産業、三河港の物流といった輸出・製造拠点です。
ナフサはプラスチック、医療資材等の原料。供給停止はサプライチェーン全体が停止するリスク。
《すでに起きている兆候と政府の対応》
現場ではすでに、燃料確保の遅れ、価格の不安定化、資材調達の遅延といった初期的な異変が生じています。これを放置すれば、地域経済全体への波及リスクが高まります。
政府は現在、石油製品の緊急点検、ナフサ等の供給確保、調達先の多角化を進めています。
特に医療分野では、輸血パック、透析回路、注射器、医療用手袋など、石油由来製品が不可欠であり、供給停止は命に直結します。そのため、世界規模での調達確保が急がれています。
《今後の戦略と政治の役割》
今回の事態は、一時的な危機ではなく、「エネルギーに依存する産業構造」そのものの課題を突きつけています。
短期的には、燃料の安定確保、供給源の多角化。中長期的には、資源循環(廃油・廃プラスチック・鉱物のリサイクル)、脱炭素燃料(合成燃料・SAF等)の導入が不可欠です。
特に、農業・漁業・物流といった地域の基盤産業を守るエネルギー戦略を、地域と国が一体で進める必要があります。
エネルギーは、産業・医療・暮らしすべての基盤です。
だからこそ、「止めない」「切らさない」「守り抜く」。この覚悟で、全力で取り組んでまいります。






