山本左近NEWS No55

2025.6.17

6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針2025」(骨太方針2025)が閣議決定されました。今回は、この「骨太の方針」について解説します。

 

《骨太の方針とは》

毎年6月に閣議決定される「骨太の方針」とは、政府の重要課題や年末の予算編成の方向性を示すものです。骨太に記載されると予算編成に組み込まれる可能性が高まることから、与党国会議員、各省庁は、この6月に向けて、議論を重ね提言などを取りまとめます。私も、現職時は、毎年この骨太の方針に向けて精力的に活動し、合成燃料や文化芸術・スポーツの振興など多くの文言を盛り込み、それらが現在の諸政策に繋がっています。

 

《昨年と今年の骨太の方針の相違》

骨太の方針は毎年出されるものですので、昨年と今年の内容を比較し、政府が今何を重視しているかを見てみましょう。

 

【昨年と同じ点】

賃上げを起点とした成長型経済の実現」を最重要課題に。名目GDPの拡大、生産性の向上、分配の好循環による持続的な経済成長を重視。「デフレからの脱却と安定的な物価上昇」を目指す。

人口減少が本格化する2030年代を見据え、「この数年が構造改革のラストチャンス」と掲げ、構造改革の重要性・緊急性を認識し取り組む決意を示す。

価格転嫁、生産性向上、事業承継支援を通じた賃上げ支援に重点に置き、中小企業支援を重視。

最低賃金全国平均1500円という目標も変わらず維持。

 

【昨年と異なる点】

国際秩序の変化の中で、地政学リスク(中国・ロシアなど)をより強く意識して自由で開かれた国際秩序の維持・形成や、パワーポリティクス(武力政治)への備えなど外交的要素が増加しています。日本は島国であり、エネルギー自給率も食料自給率も低い我が国は、他国との関係の持ち方は非常に重要です。また、「コストカット型経済の終焉」「成長と分配の好循環の実現」など、成果の定着フェーズが協調されています。

 

これ以外にも異なる点は多くありますが、紙面の関係上、私がかかわってきた分野においていくつかご紹介。

“人“中心の国づくり、ウェルビーイング、幸福度向上など“人”に軸足を置いた表現が増加。また文科政務官を務めた教育分野でも、冒頭の基本的考え方に「公教育の質と内容の充実」の記載が追加。 「自己実現を可能とする環境整備」も追加。

誰もが年齢にかかわりなく幸せに暮らせる社会の実現を目指し、「超“幸“齢社会をデザインする」というスローガンを掲げて活動し、早8年。国の政策でも、経済成長とあわせて、幸福度(ウェルビーイング)の視点が重視されるようになりました。一期3年間という短い期間でも国政で訴え続けたことが少しずつ実を結び、その考えがこの骨太の方針にも根付いてきたことは、大変嬉しいことです。

しかし、国政での活動はまだ道半ば。やり残した政策を前に進めるためにも、気を引き締めて日々の活動を頑張ります。

 

活動報告一覧