山本左近NEWS No.105

2026.7.10

現在開会中の第221回特別国会も、会期末(7月17日)が近づいています。国会には、皇室典範等の改正、議員定数削減、副首都構想など、国のあり方に関わる重要な課題が残されています。

このような中でも、皇室制度のあり方は政争の対象とすべきものではありません。長い歴史と伝統を踏まえ、静謐な環境のもとで丁寧な議論を重ねることが求められています。今回は、皇位の安定的な継承と将来にわたり皇室を支えていくため、現在議論されている皇室典範等の見直しについて整理します。

 

《皇族数減少という課題》

現在の皇室では、皇族数の減少が大きな課題となっています。

現行の皇室典範第12条では、女性皇族は天皇および皇族以外の方と婚姻した場合、皇族の身分を離れることとされています。現在16人の皇族のうち11人が女性であることから、将来的に皇室活動を担う皇族がさらに減少することが懸念されています。

このような状況を受け、平成29年の天皇退位特例法成立時の国会附帯決議を契機に、立法府全体で皇族数の確保と安定的な皇位継承について議論が進められてきました。今回の制度改正は、戦後の皇室制度における大きな節目となるものです。

 

《現在検討されている二つの方策》

一つ目は、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持できる制度です。皇室典範第12条を見直し、女性皇族が結婚後も皇室に残ることを可能とする一方、配偶者や子は皇族としない方向で議論されています。また、制度の適用に当たっては、対象となる女性皇族ご本人の意思を尊重することも検討されています。

二つ目は、皇室典範第9条の例外として、旧宮家の父系男子を皇族の養子として迎える制度です。

旧宮家とは、昭和22年(1947年)の制度改革により皇籍を離脱した11宮家を指します。その父系男子を対象に、皇室会議など所定の手続きを経て皇族となる仕組みが検討されています。

この案については、歴史的に続いてきた父系による皇位継承の考え方を維持しながら皇族数を確保できる現実的な方策との評価があります。

一方で、長年一般国民として生活されてきた方が新たに皇族となられることについて、国民の理解をどのように得るか、また将来的な皇位継承資格との関係について慎重な検討が必要との意見もあります。

 

《今回の議論の位置付け》

令和4年から衆参正副議長のもとで行われた各党・各会派による全体会議では「今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下への皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」ことを議論の前提として確認しました。そのため、今回の議論は現在の皇位継承順位を変更するものではなく、喫緊の課題である皇族数の確保を目的とした制度整備が中心となっています。

一方で、将来の安定的な皇位継承の在り方については、今回の制度改正とは別途、引き続き検討することとされています。

《将来に向けた課題》

皇位の安定継承は、現在だけでなく将来の日本の国のあり方にも関わる重要な課題です。長い歴史と伝統を大切にしながら、時代の変化にも対応し、将来にわたって皇室をどのように支えていくのか。

幅広い合意形成を図りながら、国会で静謐かつ丁寧な議論を積み重ねていくことが求められています。