2026.5.22
令和8年3月4日の衆議院・文部科学委員会で、私は、日本のアーティストが安心して世界に挑戦できる環境を整えるため、「レコード演奏・伝達権」を早期に法制化すべきだと文部科学大臣に訴えました。
海外で活動してきた経験から、この権利は日本にも必要不可欠だと考え、一期目からその必要性を訴えてきました。
そして5月15日、「レコード演奏・伝達権」の創設を含む著作権法改正案が閣議決定され、国会に提出される見込みとなりましたので、その内容を解説します。
≪レコード演奏・伝達権≫
レコード演奏・伝達権とは、飲食店やホテル、ショッピングセンターなどで音楽がBGMとして利用された際に、歌手や演奏者、レコード製作者にも適切な対価を還元するための新たな権利です。これまで、作詞家や作曲家にはJASRACなどを通じて使用料が分配されましたが、実際に歌い、演奏し、音源を制作した側には、BGM利用に対する十分な対価還元の仕組みが法律上整っていませんでした。
音楽の魅力は、詞や曲だけで成り立つものではありません。歌声や演奏、録音、アレンジなど、多くの表現が重なって、一つの作品として世界に届けられています。
このような価値を支える人々に正当な対価が届く仕組みを整えることは、日本の音楽文化を守り、育てていく上で欠かせません。
《世界から取り残されていた日本》
今回の改正の背景には、海外との制度差と、日本のアーティストが海外で正当な対価を受け取れないという課題がありました。
海外では、多くの国や地域で、店舗や商業施設などで音楽が利用された際、歌手や演奏家、レコード製作者にも使用料が還元されています。OECD38カ国の中で、この制度を導入していないのは日本とアメリカだけです。
さらに、著作権の国際ルールには「相互主義」という考え方があり、日本国内でこの権利が認められていなかったため、海外で日本の楽曲が利用されても、日本側に十分な対価が還元されない状況が続いていました。
《これまでの取り組み》
私は元F1ドライバーとして、世界を相手に戦い続けるには、才能だけでなく挑戦を支える環境が不可欠だと実感してきました。これは音楽やエンタメの世界でも同じです。
その思いから、令和5年4月には三谷英弘衆議院議員とともに「レコード演奏・伝達権勉強会」の発足メンバーとして議論を重ね、2期目当選直後の衆議院・文部科学委員会でも法改正の必要性を訴えてきました。
《法改正がもたらす効果と、これからの決意》
今回の法改正により、歌手や演奏家、レコード製作者への適切な対価還元が進み、新たな音楽が生まれる好循環につながることが期待されます。
今、日本の音楽やアニメ、ゲームなどは世界中で高い評価を受けています。だからこそ、世界に挑戦するアーティストが正当に評価され、その収益を次の創作や若手育成につなげられる環境整備が重要です。海外からの対価還流が進めば、日本のエンタメ産業の成長にもつながります。
一方で、法案提出はゴールではなくスタートです。小規模店舗への配慮や、徴収・分配の透明性、手続きの簡素化など、公正で納得感のある制度設計が今後重要になります。
日本のアーティストが、より自由に世界へ挑戦できる環境を実現するため、これからも全力で取り組んでまいります。




