山本左近NEWS No96
2026.5.7
2026年4月末、自民党の国会議員団(牧島かれん元デジタル大臣、高村正大衆議院議員ら)とともに韓国を訪問しました。
今回の視察は、⑴デジタル行政の先進事例の調査、⑵安全保障・経済分野での連携の可能性の検討、⑶未来志向の日韓関係を築くための議員外交の強化を目的としたものです。世界の知見を踏まえ、日本の強みを活かして政策を実効的なものとすることは、私の重要な役割だと考えています。
《日韓の共通点が広げる協力》
「未来志向の日韓関係を築く日韓外交フォーラム」では、日本と韓国が多くの共通点を持つことを改めて確認。両国とも資源に乏しく、海外から原材料を輸入し、製品として輸出すること(加工貿易)で成長してきた国。米中の間に位置するという安全保障上の環境も似ています。こうした共通点があるからこそ、協力は単なる友好にとどまらず、互いの国益につながる実践的なものになります。
歴史認識の課題には丁寧かつ率直に向き合いながらも、経済・デジタル・安全保障の分野で前向きに連携していく重要性を共有しました。
《韓国のデジタル行政の進展》
視察の中核は、韓国のデジタル行政を担う中核機関である国家情報資源管理院(NCIA)、知能情報社会振興院(NIA)、韓国地域情報開発院(KLID)との意見交換でした。韓国では、これまで省庁ごとに分散していた情報システムを段階的に統合し、現在は4拠点のデータセンターで、約70の中央行政機関のシステムを一体的に管理。年間約1,200億円規模の予算のもと、24時間365日の運用体制が構築されており、政府専用クラウドと民間クラウドを使い分けることで、安全性と効率性を両立しています。
地方自治体でも共通化が進み、約1,100種類以上の行政サービスを共同運用。引っ越しの際には、運転免許の住所変更など40種類以上の手続きが自動連動する仕組みが整っています。
さらに、AIを活用した「AI国民秘書」により、1万件以上の行政手続きをオンラインで案内・処理できる環境も整いつつあり、国民の利便性向上が着実に進んでいます。
《日本への示唆は「まずは小さく始める」》
韓国側からのメッセージで印象に残ったのは、「最初からすべてを一つにまとめようとしないこと」です。まずは国民向けサービスの分野から、共通化や標準化を進めることが現実的だという考え方です。たとえば、スマートフォンで使う行政アプリをわかりやすく統一するなど、小さな改善を積み重ねることが重要です。
日本においても韓国の「AIチャンピオン公務員」制度などを参考に、デジタル人材に求められるスキルの基準の共有化と研修体制が必要と感じました。
《デジタルは安全保障そのもの》
今回の議論を通じて、デジタル政策は単なる便利さの問題ではなく、安全保障にも直結していることを改めて実感しました。サイバー対策やデータの管理、半導体やAIといった分野は、国の競争力や安全に深く関わります。日本と韓国が協力し、ルールづくりや技術面で連携することは、地域の安定にもつながる重要な取り組みです。
政府間では難しいテーマも、議員同士なら率直に議論できます。今回の成果を、今取り組んでいる日本の規制改革やデジタル政策に活かしてまいります。






