山本左近NEWS No95
2026.4.24
《緊迫する国際情勢と日本の資源》
現在、中東・ホルムズ海峡をめぐる情勢は予断を許さず、原油輸入の多くを中東に依存する日本にとって、私たちの経済や暮らしに直結する課題です。
こうしたエネルギー・資源供給の脆弱性を踏まえ、政府は2026年4月21日、「循環経済行動計画」を決定しました。資源に乏しい日本が、国内にある資源を有効活用し、海外依存を減らしていくための具体策を解説します。
《循環経済(サーキュラーエコノミー)の真意》
「リサイクル」という言葉は馴染み深いと思いますが、循環経済はさらに一歩踏み込んだ考え方です。使い終わった製品を資源として再利用するだけでなく、設計段階から、長く使えること、修理しやすいこと、再利用しやすいことまで見据え、できるだけ廃棄物を出さず、資源を循環させ続ける仕組みをつくることを指します。これは単なる環境対策ではなく、産業競争力を左右する新たなルールでもあります。
《世界の資源争奪戦と日本の課題》
今、世界では資源をめぐる「国家間の囲い込み」が激化しています。
中国は、レアメタルなど重要鉱物の輸出管理を強化する一方、巨大国営企業を設立し、国内リサイクル網の掌握を進めています。
EUも、電子機器の輸出規制や新車への再生プラスチック使用義務化など、ルール形成を通じて主導権の確保を図っています。
今後、脱炭素社会の実現には、蓄電池や半導体の需要が大きく伸びます。しかし日本では、再利用できる資源の多くが海外へ流出したり、十分活用されないまま廃棄されたりしているのが現状です。
こうした「二次資源」を国内でいかに確保するかが、日本の勝ち筋を左右する鍵となります。
《「不適正ヤード」問題と法改正の意義》
私たちの身近な問題として、金属スクラップを屋外に大量保管する「不適切な保管ヤード」があります。ここでは火災事故や盗難品の売買が横行し、地域住民の安全を脅かしてきました。
最大の課題は、業者が「これはゴミではなく、売れる資源(有価物)だ」と主張すれば、これまでの廃棄物処理法では規制しきれなかったという「法の空白」にありました。
そこで今国会では、「廃棄物処理法の一部改正案」を提出しています。この改正により、たとえ有価物であっても、使用済みの金属やプラスチックであれば廃棄物と同様の「許可制」の対象とします。これにより、悪質な業者を排除し、国内の貴重な資源が不正に海外へ流出するのを食い止めます。
《日本の強みを活かした「資源自立」》
日本には、世界屈指の金属製錬技術があります。この強みを活かし、同盟国などとも連携して、日本をアジアの資源循環のハブ(中心地)にすることを目指します。
資源循環は、環境面での取組にとどまらず、私たちの暮らしに深く関わる重要なテーマです。
現在、石油やナフサなど石油関連製品の安定調達に全力で取り組んでいます。その一方で、国内に目を向ければ、私たちの身の回りには、再利用されずに焼却されたり、海外へ流出したりしている資源も多くあります。
資源に乏しい日本だからこそ、今ある資源を有効に活用することは、私たちが強みを発揮できる分野だと考えます。
一次資源と二次資源の双方をしっかり活用し、日本の強みを生かしながら、成長する日本の実現に向けて全力で取り組んでまいります。






