山本左近NEWS No.97

2026.5.15

令和9年度の介護報酬改定に向けた議論が本格化しています。

私自身、これまで医療・福祉の現場に携わってきた中で、介護が日々の暮らしを支え、地域社会を支える重要な基盤であることを実感してきました。

介護は、特別な誰かの問題ではありません。豊橋・田原をはじめ東三河で暮らす皆様にとっても、自分自身や親世代、家族、地域の未来に直結する“生活インフラ”です。

来年度の介護報酬改定は「地域で安心して暮らし続けられる社会を守れるのか」が問われる重要な議論ですので、解説していきます。

 

〈介護施設等の経営状況〉

特別養護老人ホームでは、令和6年度の利益率が0.1%まで低下し、ほとんど利益が出ない状況となっています。さらに、約半数の施設が赤字経営に陥っています。養護老人ホームや軽費老人ホームでは、赤字割合が6割を超える状況です。

この背景には、電気代や食材費などの物価高騰があります。しかし、介護事業者は一般企業のようにサービス価格を自由に上げることができません。介護報酬は国が定めるため、コスト増をそのまま反映できない仕組みになっています。

 

深刻な人材不足〉

加えて、人材不足は極めて深刻です。

介護職の給与は他産業との格差が依然として大きく、現場では人材確保が難しくなっています。特に、介護支援専門員(ケアマネジャー)の有効求人倍率は8倍を超えており、1人の人材を複数の事業所が奪い合う状況となっています。

 

介護は地域社会を支える基盤〉

介護は、単なる福祉政策ではありません。日本の社会基盤そのものを支える重要な仕組みです。もし介護サービスを維持できなくなれば、「親の介護のために仕事を辞める」介護離職が増え、地域経済や地域コミュニティにも大きな影響が及びます。

介護を守ることは、働く世代を支えることであり、地域の雇用や暮らし、地域社会そのものを守ることにつながるのです。

 

〈令和9年度の介護報酬改定の方向性〉 

私は、次回の介護報酬改定において、少なくとも次の5つの視点が必要不可欠だと考えています。

①物価高騰を適切に反映した介護報酬への見直し

②他産業に負けない処遇改善による人材確保

③センサーなどを活用した介護DXへの投資による生産性向上

④南海トラフ地震も見据えた施設の耐震化や防災体制の強化

⑤現場を疲弊させている過度な事務負担の抜本的な見直し

地域の未来を支える介護へ〉

介護施設は、単なる福祉施設ではありません。災害時には地域を支える防災拠点にもなる、東三河の重要な社会インフラです。

私は、政治は単に財政支援を行うだけでなく、地域全体で介護を支えられる仕組みをつくることが重要だと考えています。住民の皆さま一人ひとりが、介護や認知症への理解を深め、地域で支え合える環境を整えていくことも、これからの超高齢社会には欠かせません。

2035年には、団塊ジュニア世代が高齢期を迎え、介護需要はさらに大きく増加します。その時になって慌てるのではなく、今から地域の介護体制を立て直していかなければなりません。

介護という社会インフラを将来にわたって守り抜く」、これを実行することが、政治の責任だと考えています。

豊橋・田原で、誰もが安心して歳を重ねられる社会を実現するために、引き続き全力で取り組んでまいります。